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医局活性化プロジェクト対談 第5回

昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科

昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科 診療科長 田中 邦哉 教授にお話しをお聞きしました。

2019.07.01

教授に就任され、これから実現したいことは何でしょうか。

これまで当院は、消化管の腹腔鏡手術を中心に行っていましたが、今後は肝胆膵領域の手術を積極的に行っていきたいと考えています。幸いなことに、消化器内科は以前から肝胆膵領域を得意としていましたから、スムーズに肝胆膵の手術を導入することができました。

肝胆膵の術後に合併症などのトラブルが起きた場合、例えば、膿が溜まった時には消化器内科でドレナージ術が行われ、出血時は放射線科で血管塞栓術が行われる・・・といった、非常に心強い他科との連携体制があり、我々外科にとって非常に恵まれた環境だと感じています。

また、これから取り組みたいと考えているのは、教育システムの構築です。外科医は一人前になるまでに時間がかかりますから、若手医師に対してキャリアパスを明示することが大切だと考えています。キャリア形成の一環として臨床研究も進めていく予定です。医局員には、何よりも「手術がしっかりできる外科医」になってほしいと思っているので、手術はどんどん経験してもらいたいと思っています。

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昭和大学藤が丘病院の魅力を教えてください。

先ほどお話ししたように、他科と連携しやすく“外科医が手術に集中できる環境”があります。患者さんに対して、各科の医師がプロフェッショナルな仕事をしているからこそ、科の隔たりはなく、非常に友好的な関係性が築けていると思います。

キャンサーボードもかなり充実していて、毎週、消化器内科、消化器外科、放射線科、腫瘍内科、病理が集まり、幅広い視点から治療方針を決めています。特定の科が主導になるというわけではなく、お互い意見を述べ合い、1つのチームとして機能していると思いますね。

消化器外科医になって良かった、と実感したエピソードを教えてください。

肝臓がんだった母の手術をして、延命できたことです。もともと入院していた病院では手術ができないと連絡があり、私が執刀することにしました。腫瘍を摘出しなければ、数カ月後に亡くなっていたと思いますが、手術によって5年延命でき、母と過ごす貴重な時間をつくることができました。

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先生にとって外科医のやりがいは何でしょうか。

やはり「自分の手で治療する達成感」に尽きます。手術が上手くなれば、一人でも多くの患者さんを救うことができ、それが自分自身のやりがいにもつながります。私は、手術が上手い人は、反省と努力をし続けている人だと考えていて、私自身も、そのようにありたいと思っています。

全国的に外科医不足が問題視されていますよね。外科はどうしても、大変さが注目され、入局のハードルが高くなってしまう科だと思います。悔しい思いをすることも多い科ですが、助けることができた喜びも必ずあります。「自分で治療したい」という気持ちこそが外科医の素質だと思うので、その志をもった先生は勇気をもって一歩、踏み出してほしいと思います。当医局は女性でも男性でも消化器外科に興味がある先生なら、大歓迎です。入局後のバックアップは惜しみません。

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田中教授、ありがとうございました。

昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科

昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科では、消化管悪性疾患(食道癌、胃癌、小腸癌、大腸癌)、肝臓、胆道、膵臓の悪性疾患 (肝臓癌、転移性肝癌、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌)、腹部領域の良性疾患や急性疾患 (腹膜炎、虫垂炎、腸閉塞、腹腔内臓器損傷など)、ヘルニアなどの一般外科疾患に対する治療など幅広い疾患に対して診療・治療を行っています。手術治療が主体となりますが、手術の内容も、より体に優しい腹腔鏡による手術から、極めて進行した悪性腫瘍に対する高難度手術まで様々な手技を工夫して、より良い医療を提供できるよう実践しています。また、平成22年度からは、消化器内科とともに消化器センターとしての診療を開始しており、内科と外科が密接な協力体制を確立し診療・治療にあたっています。がん診療においては消化器センターのみならず、腫瘍内科・緩和医療科、放射線科でCancer Boardを開催し、最適な診療方針を決定し実践しています。

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